2008年3月19日
NBA黄金期到来−ブルズの時代へ(2)
強敵ピストンズをイースタン・カンフェレンス・ファイナルで下したマイケル・ジョーダンのブルズにとって、初のファイナルは91年6月2日、場所はブルズのホームコート(現在のユナイテッド・センターの前に建っていた)シカゴ・スタジアムからスタートしました。
相手はファイナル常連のレイカーズです。
GAME 1
心配された立ち上がりは、#23ジョーダンが15得点3リバウンド、5アシストといきなりスパート。30-29とリードして1Qを終了しました。前半はそのままの流れで終わりますが、後半動いたのはレイカーズの#32マジック・ジョンソンでした。連続3Pを決めて3Qを24-15として逆転します。
ブルズは最終Qに追い上げて、逆転したものの、残14秒にジョーダンの大学時代の同期#14サム・パーキンスに3Pを決められ92-91と再逆転を喰らいます。
その後ジョーダンが5mのジャンパーを打ちますが、ザ・ショットにはならず93-91でレイカーズがアウェーで緒戦をモノにしました。
GAME 2
レイカーズの司令塔マジックに対してブルズはクイックネスとスピードがあり、バスケット・センスもディフェンスも良く尚且つマジックに近い身長の#33スコティー・ピッペンをマッチアップさせました。正に名匠フィル・ジャクソンならではの作戦です。
マジックの身長は201cmの大型PGで、殆どのチームは彼にPGをマッチアップさせます。ところが多くの場合、クイックネスやスピードで勝っても、身長が10cm以上も低くなるために、彼の視野を妨げることが出来ず、尚且つ頭の上から楽にパスされてしまいます。ミスマッチを避けようと長身選手をマッチアップさせると、マジックの方が身体能力があり、テクニックも上手いために翻弄されてしまいます。それがマジックのマジックたる所以ですが。
ところがピッペンは196cmもありフットワークがよいので、攻撃のとき、ドリブルしながらトップから指示を出すマジックの視野を遮り、尚且つプレシャーを与えて、マジックが得意とするドリブルインを止め、攻撃リズムを狂わせます。そうしてプレーオフのスタッツが平均21.8得点12.6アシストのマジックを14得点10アシストに抑えてしまいました。
その上凄いことに、3Qではレイカーズのお株を奪う攻撃で38-26として逆転してリードを奪いました。何が凄かったのか?
この一連の逆転劇は、ジョーダンはファールトラブルでベンチに下がって居た時の出来事だったことなのです。
ブルズはジョーダン一人のチームではなくなりました。
また、この2ゲームでジョーダンはPGとして25本のアシストを配給しています。
ここでのブルズFG確率61.7%は、NBAファイナルの記録を作りました。
もう一つ有名になったのは、ジョーダンの身体を伸ばしてのレイアップシュートの写真です。ペネトレイトしたジョーダンがダンクをかまそうとした時、ゴール下に大学の同期の#14パーキンスが構えていたのを見て、ダンクを止めてボールを右手から左手に持ち替えて掬うようなシュートをしている場面です。多くの雑誌に掲載されていたので、一度はご覧になったことがあるのではないかと思います。
後日その時のことをジョーダンは次のように語っています。「ブロックの上手いパーキンスがゴール下に居たので、ダンクを止めて左手のレイアップにしたんだ。」
ブルズはシリーズを1勝1敗のタイに持ち込んでレイカーズのホーム、グレート・ウェスタン・フォーラムへ場所を移して3戦行います。
GAME 3
このゲームも競りました。ブルズがリードしていたものの、レイカーズのパーキンスとブラディ・ディバッツのシュートで終了間際に追いつかれ逆転を許しますが、今度はジョーダンがしっかりと決めてオーバータイム(延長)に持ち込みます。
そうなればブルズ、いやジョーダンのペースで、ブルズはオーバータイムでは12-4と大差を付けて104-96で楽に逃げ切りました。
GAME 4
レイカーズがリードを奪ったのは最初のQだけです。2Qはブルズがスパートして52-44とリードして後半に入りますが、3Qもレイカーズのシュートが入らず、74-58となおもリードを広げます。
その上レイカーズに悲劇が降り掛かりました、平均21得点のジェームズ・#42ウォージーと13得点のバイロン・スコット(現ホーネッツ・コーチ)がケガをして、出場できなくなります。その結果97-82で敗れました。これでブルズは3勝1敗として、初のNBAチャンピオンに王手をかけました。
GAME 5
ウォージーとスコットの居ないレイカーズはたとえ主役のマジックが20アシストを記録しても、ジョーダンのいるブルズを倒すには力不足でした。
地元で相手の優勝シーンを見たくないレイカーズはエルデン・キャンベル等の活躍もあり、3Qまではリードをしていましたが、最後のところでスパートしたのはブルズです。3Pを量産して5分ほどで10得点したのはジョーダンではありません。シューターとして有名な#5ジョン・パクソンです。
108-101の勝利でジョーダンと彼のブルズは初の栄冠に輝きます。その瞬間ジョーダンはコートで跳ね回りチームメイトと抱き合いもみくちゃにされながらロッカールームに走って行きました。シャンパンファイトが終わっても優勝トロフィーをズーッと抱き続けていたジョーダンが印象的でした。
NBAに入って7年間、長い道のりを越え、やっとタイトルを獲得した感激はいかばかりのものか。
ジョーダンとブルズの新しい歴史はここから始まります。
この年、#23ジョーダンはアメリカ最大手のスポーツ週刊誌「Sports Ilustrated」が選ぶスポーツマン・オブ・ジ・イヤー(年間最優秀スポーツ選手)に輝きます。下の写真はその表紙です。顔写真がホログラフになっており、そこにサインが入っています。
UNC(ノースカロライナ大、彼の母校)のショップで$100で買ったのですが「サインが偽者っぽい」と言はれています(泣)

