2007年12月25日

70's NBA(後編)

70年代のNBAは、もう一つ大きな変化が起きた時代でもあります。

NBAに対抗していたプロ団体のABAの存続が不能となったことです。それによりABAで活躍していた好選手がNBAへ流入しました。

ネッツ、ナゲッツ、スパーズ、ペイサ−ズの4チームはNBAに吸収されました。

<76-77>
レギュラーシーズンをリーグトップの成績で終えたレイカーズでしたが、プレーオフではウエスタン・カンフェレンス3位のポートランド・トレイルブレイザーズに敗れてしまいました。

一方イースタン・カンフェレンスではABA再編成ドラフトでネッツから獲得したDr.Jことジュリアス・アービングの活躍でセルティックス、ロケッツ(この時代はイースタン所属だったんです)を破ったフィラデルフィア・セブンティーシクサーズが10年ぶりにファイナルに進出しました。

ブレイザーズに主力は入団3シーズン目のビル・ウォルトンです。名門UCLAからドラフト全体1位でブレイザーズに選ばれた210cmの白人の逸材で、バスケット・センスが抜群、シュート、リバウンドだけでなくパスのセンスも最高です。

大学3年生のNCAAファイナル・フォーで彼のプレーを見ていますが、これが素晴らしかったの一言です。
早いターンと打点の高いシュートで、22本打って21本決めました。凄過ぎです。

印象に残っているのは、リバウンドを獲って空中で身体をひねり着地前に、サイドに出ていたガードへアウトレット・パスしたプレーです。

ちなみに現在はTVの解説を行っています。そして息子の一人がレイカーズに居るルーク・ウォルトン。父親のDNAを引き継いだバスケットIQの高い選手です。

さてこのウォルトンですが、弱点があります、膝が弱いんです。そのためタフなスケジュールのNBAでは膝に重圧が掛かり故障気味で、半分程度しかゲームに出ていません。それがこのシーズンは2/3近いゲームに出られるようになったのがブレイザーズ好調の原因です。

もう一人、モーリス・ルーカスと言うゴール下にゴッツい相棒が居たためです。この人見た目が怖い(笑)

208cmですが身体の幅がありシュートもリバウンドも上手い彼はABAのカーネルスから入団してきました。ポイント・ガードのデーブ・ツワージック(現マジック副ジェネラルマネージャー)もABAからFAでブレイザーズ入りした選手です。

それをまとめたコーチがジャック・ラムジーは2年前シクサーズをコーチしていたという奇縁です。

ファイナルは地元フィラデルフィアで2連勝したシクサーズでしたが、地元に帰ったブレイザーズが息を吹き返して4連勝して、創設7シーズン目で初の優勝を遂げました。

<< プレーオフ >>
◇ イースタン・カンフェレンス
第1ラウンド
セルティックス 2-0 スパーズ
ブレッツ(現ウィザーズ) 2-1 キャバリアーズ
セミファイナル
シクサーズ 4-3 セルティックス
ロケッツ 4-2 ブレッツ(現ウィザーズ)
ファイナル
シクサーズ 4-2 ロケッツ
◇ ウエスタン・カンフェレンス
第1ラウンド
ウォリアーズ 2-1 ピストンズ
ブレイザーズ 2-1 ブルズ
セミファイナル
レイカーズ 4-3 ウォリアーズ
ブレイザーズ 4-2 ナゲッツ
ファイナル
ブレイザーズ 4-0 レイカーズ
◆NBAファイナル
ブレイザーズ 4-2 シクサーズ

ウォルトンの話になると、ついつい長くなってしまって(^_^;)

<77-78>

ディフェンディング・チャンピオンのブレイザーズはこのシーズンも50勝10敗と快調だったが、ウォルトンが足を骨折してこのシーズンはここで終わってしまった。
そこで浮上してきたのがワシントン・ブレッツ(現ウィザーズ)です。
中心選手はブレイザーズと同じように二人のインサイド陣でした。

一人はNBA10年目のPFエルビン・ヘイズ206cmで、もう一人が200cmしかないセンターのウェス・アンセルドです。
ヘイズは「ジョーダンの前に"GOD"と呼ばれた男」に書いたとおり、アブドル・ジャバーのライバルです。力強さと俊敏性を併せ持った現代PFのモデルとなったと言はれるオールラウンド・プレーヤーで、ターンアラウンドシュート(ジョーダンが復帰してから得意としたシュートで、片方の足を軸に半回転してジャンプしてスローするシュート)の名手で尚且つアウトサイドのシュートも得意でした。一昔前のカール・マローンが彼に近いプレースタイルと言はれています。

アンセルドは200cm111kgという巨漢を生かしたリバウンドの強いセンターで、引退後はブレッツのコーチを経てGMにも就任しました。

この二人に加えトミー・ヘンダーソンのスタメンだけじゃなく、ミッチ・カプチャック(現レイカーズGM)等の控え選手が豊富でバランスの取れた精神的に強いチームとして、プレーオフ第一ラウンドでレイカーズを破って進出してきたソニックとNBAファイナルで対戦、4勝3敗で下して、61年にシカゴ・パッカーズとして発足以来初のチャンピオンに輝いています。

<< プレーオフ >>
◇ イースタン・カンフェレンス

第1ラウンド
ニックス 2-0 キャバリアーズ
ブレッツ 2-1 ホークス
セミファイナル
シクサーズ 4-0 ニックス
ブレッツ 4-2 スパーズ
ファイナル
ブレッツ 4-2 シクサーズ
◇ ウエスタン・カンフェレンス
第1ラウンド
バックス 2-0 サンズ
ソニックス 2-1 レイカーズ
セミファイナル
ソニックス 4-2 ブレイザーズ
ナゲッツ 4-3 バックス
ファイナル
ソニックス 4-2 ナゲッツ
◆ NBAファイナル
ブレッツ 4-3 ソニックス



<78-79>
ファイナルは前年と同じカードでした。このファイナル、ソニックスのコーチ、レニー・ウィルキンスは、ポジションを身長だけでなく、個人の能力に合わせたことが功を奏したことで広く認知されました。

一方、前年はチャレンジャーとしてリラックスして戦えたブレッツでしたが、ディフェンディング・チャンピオンとしてのファイナルは強いプレッシャーが掛かりました。

そして一番の違いは、前年のファイナル最終ゲーム7で野投が0/14というスタッツでソニックスの足を引っ張ったガードのデニス・ジョンソンが、得点だけでなくディフェンスでも大活躍して優勝に導き、自らもファイナルMVPを獲得したことです。

<< プレーオフ >>
◇ イースタン・カンフェレンス

第1ラウンド
シクサーズ 2-0 ネッツ
ブホークス 2-0 ロケッツ
セミファイナル
ブレッツ 4-3 ホークス
スパーズ 4-3 シクサーズ
ファイナル
ブレッツ 4-2 スパーズ
◇ ウエスタン・カンフェレンス
第1ラウンド
サンズ 2-1 バックス
レイカーズ 2-1 ナゲッツ
セミファイナル
ソニックス 4-1 レイカーズ
サンズ 4-1 キングス(カンサスシティー)
ファイナル
ソニックス 4-3 サンズ
◆ NBAファイナル
ソニックス 4-1 ブレッツ

そして70年代が終わるとNBAは新しいスターを迎え、戦国時代は終焉し、明るい華やかな時代へと入っていきます。


historivia at 14:00│Comments(0)TrackBack(0) 

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プロフィール
あんどうたかお
日本初のバスケットボール専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、 バスケットボール用品専門メーカー「サカイ」のデザイナーとして活躍。ユニフォームデザイナーとして 高校からスーパーリーグまで、ほとんどのデザインを手掛けた。 NBAの伝道者として知られ、NBAの黎明期から執筆活動を行い、NHK BSでも放映初期から解説者として 活躍するなどその造詣は深い。現在はデザイナー業、執筆活動のかたわらNBAでプレーすることを 夢見る若者を支援するNPO「リーチ ユア ドリーム オブ フープ」を主宰している。
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