2008年4月30日
原点としてのストリートボール
日本初(おそらく)のストリートボール情報ウェブマガジン「Breakin'」が25日に創刊しました。
http://www.brkn.jp/
このサイトは、SOMECITYやLEGEND、以前このコラムでも取り上げたALLDAYなどのイベントレポート、ボーラー(選手)のインタビュー等を通して、より多くの人々にストリートボールに親しんでもらおうというコンセプトのもと、立ち上がりました。
私も創刊号の企画段階から関わっていまして、何本か記事を書かせていただきました。
プロへと巣立っていったボーラーとして、東京アパッチの青木康平選手、岩佐潤選手のスペシャルインタビューも掲載されています。是非ご覧になってください。
さて、この「Breakin'」のお仕事を請けたあと、当然ながら様々なストリートイベントを見て、ストリートで生きる人の話を聞いて、ストリートボールのことを考えました。特に一生懸命考えたのは創刊号の特集にもなっている「ストリートボールって何?」という命題です。
「ストリートボールって屋外のコートでプレーすることじゃないの?」
答えはNO。なぜならば屋外施設で行われるSOMECITYやLEGENDもれっきとしたストリートボールです。本場アメリカのAND1ミックステープツアーも屋外で行われています。
「なんか派手なことするやつでしょ?股抜きとかドリブルで魅せるやつ。」
これもNOです。競技バスケと同等に、堅実なプレーで人気と注目を集めるボーラーもたくさんいます。
じゃあ一体ストリートって一体何なのさ!?と、結局堂々巡りになってしまうのですが、青木康平選手のある一言に、胸をコツンと動かされました。
「ストリートボールは『原点』だと思います。」
日本の子供がお父さん相手にキャッチボールをするように、アメリカの子供は、近くの公園に設置されている果てしなく高いリングを目指し、父親を相手に1オン1を楽しみます。
スラムダンクの「小坊主」こと沢北栄冶は、生まれたときから皮のバスケットボールをおもちゃにして育ちました。家にはお手製のリング。毎日日が暮れるまで父親相手に1オン1を挑みました。
これがストリートボールの原点。
音楽にせよ、美術にせよ、各地の生活様式にせよ、文化と呼ばれるものは、私たちが生まれたときから自然と親しみ、無意識のうちに体と心の中に構築されていくものです。
つまり、ストリートボールとは、バスケットボール文化全体の象徴なのではないかと思うのです。
しかし、私がライター陣との打ち合わせ中この沢北の話を持ち出したとき、「でも、実際問題日本にはそれはないですよね。」と一蹴されました。
その通りです。たいていの人がバスケットを始めるのは、ミニバスや部活。原風景としてのバスケットではなく、チームという組織の一部としてのバスケットが体と頭に刷り込まれるわけです。
これでは日本にストリートボール文化どころか、バスケットボール文化が根付くわけがありませんよね。
私は日本にバスケットボール文化が定着することを心から願い、活動を続ける人間の一人でありますが、そのためには原点回帰しなければならない。
というよりも私たちの手で原点を作り出さなければならない、と気づかされたのです。
ストリートボールは「個」のバスケ。ボールを使っての自己主張合戦です。だからこそ、競技バスケットとはまた違う、選手一人ひとりの生の輝きがまばゆいばかりにせめぎあい、多くの人が惹きつけられるのだと思います。
バスケットに携わるすべての人たち使命。それは、バスケットボールで自己紹介できる子供たち、バスケをアイデンティティとする子供たちが、この先の日本にたくさん誕生する環境を作り上げることではないでしょうか。
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この記事へのコメント
研究しています。研究対象として昨年ストリート
ボールを選択し、Legendの研究をしています。
今夏、日本スポーツ産業学会でも発表いたします。
よろしければ、青木さんのご意見を伺いたく
思います。
筑波大学大学院准教授 高橋義雄
