2007年10月12日

ライジング福岡 山村GMインタビュー・後編

「福岡モデル」の実現


――ライジング福岡のチームコンセプトを教えてください。

山村GM バスケットボールと同じくオフェンス/ディフェンスのバランスが整った球団を作ろうと考えています。
その中で、他の球団がやってないことを「福岡モデル」という言葉を掲げて実現させていきたいと思っています。その福岡モデルの一つが、ブースタークラブの入会金を1000円にしたことです(中学生以下は、500円)。
他のチームの価格からすると破格の設定なのですが、この価格設定でどれだけコアなブースターを増やせるかは大きなチャレンジです。
この試みが成功したら、福岡県のパブリックチームとしての使命と責任が発生しますし、行政にも「県民のみなさんにこれだけ愛されるチームだ」ということを訴えられるようになると思います。
そのために、色々な面で福岡モデルを実行していこうと考えています。

チーム運営に関しても福岡モデルを構築しています。ひとつは選手獲得です。
バスケット界の通例では、選手獲得は監督やHCに大部分が任せられています。しかし私どもは、プロ野球のようにフロントサイドが選手を選びました。プロチームなのですから、フロントが福岡に合う選手だと判断した上で、能力の高い選手を集める形をとっています。
外国人選手は、プレースタイルも重要ですが、パーソナリティーや日本に合うかを見極めエージェントやコーディネーターと話し合い何人か選んだ上で決めます。そうして選ばれた選手をプロのヘッドコーチ、アシスタントコーチ、ディレクターがきちんとチームを作っていく。そういう福岡スタイルを実践しています。


――ドラフトで1位指名した中川和之選手はアメリカへの挑戦を続けるとのことです。この経緯について教えてください。

山村GM 中川くんは福岡の隣の山口県出身。また、お兄さんも九州電力でバスケットをしているとのことで、福岡にもゆかりのある選手なんです。来シーズンは山口県での試合も考えておりますし、このようなことを踏まえて彼を1位指名しました。
先月正式に、中川くんから「アメリカでバスケットをやりたい」という考えを聞きましたが、私たちは「日本を代表して、またbjリーグを代表して、NBA−DLやABA、CBAのトライアウトにどんどんチャレンジしてきなさい」と話しました。
リーグの中でも、昨年あれだけの活躍を見せた中川くんを応援しようという動きになっています。本人も「寛大な気持ちで送り出していただいてありがとうございます」と話していました。

日本の選手がアメリカで通用するというのが僕らの一番の願い。その願いをかなえるために、私たち球団も全面的に彼を応援しています。


――また、仲西淳選手はライジング福岡の中でもbjリーグ初年度からの経験者です。彼を獲得した理由はなんですか?

山村GM 彼と会って、本人が2年間bjでできなかったこと、そしてこれからやりたいことを聞きました。
私どものバスケットスタイルは、アメリカスタイルだけではなくワールドスタンダード的なものを目指しています。どういうことかと申しますと、個人の能力というよりも、システマティックなチームプレーを重要視するバスケットスタイルです。

彼は、個人の能力だけを生かすのではなく、5人の中の1プレーヤーとして、どういう働きができるかとい、ことを考えるバスケットをしたかったそうです。その話を聞いた上で、私どもが目指すチーム像…先ほどお話した福岡モデルで、選手獲得はフロントが判断することや、ヘッドコーチ選出の理由を説明した上で、仲西君とは、膝を突き合わせて、3時間ぐらいお互いのバスケット論について話しました。
彼の口から「福岡でやらせてください」と真剣な目の光に打たれ、合意に至りました。


――山村さんが仲西選手に期待していることはなんですか?

山村GM 仲西くんには1番にこだわるのではなく、川面との1・2番コンビや、外国人シューターと1番2番を交代しながら彼の身体能力を生かすプレーをしてもらいたいと考えています。
今は合宿やプレシーズンマッチの中で、自分が活きるものを模索している段階でしょうね。


目標は頂点、そしてアジアの拠点


――今シーズンのチームの目標を教えてください。

山村GM プレーオフ進出です。
私どものカンファレンスには、昨年の1、2、3位がいるので、新参者が生意気なことを言える立場ではないかもしれませんけれど、新規参入でも上位を狙えるのがbjリーグだと思っています。謙虚に一勝一勝重ねていくのが目標ではありますが、やっぱり頂点を目指さないと。
新規チームだからどうのこうのではなく、頂点を目指すためにはどうすればいいのかということを考えながら動いています。

私は今シーズンの事だけではなく、もう来シーズンを考え動いています。それが、GMの仕事だと思っています。


――最後に、チームの長期的な目標を。

山村GM 地元の子供たちに「福岡のチームに入りたいな」と思ってもらえるようになりたいです。
福岡はバスケット人口も多い土地柄ですし、ミニ、中学校、高校と、男女ともに実力がトップレベル。
今年のクリニックで教えた子どもたちが、ライジング福岡に入ろうと思ってバスケットを頑張って、チームに入ってくれたら幸せですね。

そして、福岡をアジアバスケットの拠点にすることも大きな目標です。
これから先、アジアチャンピオンカップが実現した際には、是非福岡を会場にしたい。そのためには専用アリーナが必要になります。
アリーナ建設の運動に尽力して、行政さんとお話してやっていかなければならないと思っています。

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福岡はソフトバンクホークス、アビスパ福岡、そしてライジング福岡と、3つのプロチームを抱えるスポーツのさかんな地域。
また、山村さんのお話の中にもありましたように、特にバスケットボールの分野ではミニバス、中学校、高校、大学、実業団、クラブチームとすべてのカテゴリーでしっかりと実績を残している、いわばバスケット王国です。
(中川選手のお兄さん、直之選手が所属している九州電力は先日の全国実業団選手権で3位入賞。クラブチームはライジング福岡の前身・福岡BBボーイズや、大分ヒートデビルズの三友選手が所属していた福太郎クラブなど、全国の強豪チームが多くあります)
福岡にはプロチーム、そしてバスケットが根付く土壌が十二分に育っているのです。
ライジング福岡は大きく強く、プロバスケットボールチームとしての道を歩みだしています。
球団運営とチーム力をもってして、福岡で最も愛されるプロチームになってほしい。心からそう願っています。


bj_official at 09:57│Comments(0)TrackBack(0) 

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プロフィール
青木美帆/Miho AWOKIE
1984年生まれ。早稲田大学卒業。早大体育会の報道紙「早稲田スポーツ新聞」でバスケットボール部を担当したことをきっかけに、在学中からバスケットボールに関する取材活動を開始。現在はフリーのバスケットボールライターとして中学バスケットボール(白夜書房)、FreeBas.(フリーペーパー)などで執筆中。周りからはさんざん「無謀だ」と言われていますが、体当たりで頑張っています。
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